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銀河鉄道の夜  宮沢賢治著
キャンプした日の夜。
久しぶりに星空を見上げた。


「あー、白鳥座がみえるね。」

「もう少し辺りが暗くなれば、天の川もみれるかも・・・。」

「天の川ってこういう風に流れてるんだよね。」

「今日は、カシオペア座と北斗七星が一緒に見えるよ。」

「てことは、あれが北極星だね。」


そんな会話をしつつ、ぼんやりと時間を過ごした。
そうしたら、急に宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」が読みたくなった。
ラッキーなことに、PSPの中に入っているというので、
星空の下、久しぶりに「銀河鉄道の夜」を読んだ。

子供の頃、初めて意識して本を読んだのが宮沢賢治で、
「銀河鉄道の夜」を読んだときは、カンパネルラが死んでしまっていたことに、
ただただ涙を流したが、今、読み返してみると、なんだか全然感動が違った。

あの家庭教師と二人の姉弟の場面。


「けれどもそこからボートまでのところにはまだまだ小さな子どもたちや親たちやなんか居て、とても押(お)しのける勇気がなかったのです。」

「私はもうすっかり覚悟(かくご)してこの人たち二人を抱(だ)いて、浮(うか)べるだけは浮ぼうとかたまって船の沈むのを待っていました。」

「ぼくはそのひとのさいわいのためにいったいどうしたらいいのだろう。」

「ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」


・・・涙。
ひとのさいわいのために出来ることって、
誰かが本当に必要としていることをやってあげること?
ただ誰かの幸せを願って、本当に正しいことをすること?
正しいことって、楽しくて嬉しいことばかりじゃない。
時には、悪いことより残酷だ。
私は、そんな悲しみを乗り越えることが出来るんだろうか?



*「銀河鉄道の夜」 青空文庫で読めます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/456_15050.html
by chio-ringo | 2006-08-23 15:13 |
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